Teenage Mutannt Ninja Turtl 作者・ケヴィン・イーストマン他 翻訳・中沢俊介 出版社・IDWパプリッシング 日本出版社・小学館集英社プロダクション

IDWオムニバス

 

あらすじ
ラファエロ編
1年のホームレス生活を経て家族と再会し供に暮らし修行しパトロールに出るようになったラファエロ。しかし水曜日だけは親友ケイシーとのパトロールの日だ。ケイシーと供に悪党を退治したラファエロはそこで狐の女ミュータントに出会う。
ミケランジェロ編
日本で言う大晦日。家族に黙って外に出て人間達のパーティに参加したミケランジェロ。ミケランジェロはパーティに参加するために電話で揉めている仮装した男の名を騙るがその男はパーティの騒ぎに乗じて盗みを行うとする犯罪者の仲間だった。
ドナテロ編
チャットで科学のイベントが開かれると知ったドナテロは変装してそのイベントに参加する。しかし、そのイベントはフット軍団のバクスター・ストックマンが主催したイベントでドナテロはそのイベント会場でカービーという偏屈な天才科学者が黒服の男達に連れていかれる姿を目撃する。
レオナルド編
浚われたスプリンターを助ける為に行動するレオナルド。しかし、レオナルドはスプリンターから自分達とフット軍団の前世の因縁を聞かされて以降前世の記憶が甦り特に母親の死の記憶は彼の心に深い傷を作り出した。そんな中大勢のフット軍団の忍者がレオナルドに襲い掛かる・
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タートルズそれぞれを主人公にした短編漫画の紹介です。一応本編ではなく番外編ですが、本編に登場するキャラが短編集で初登場したりするなどこの短編集を読むと読まないとでは本編の楽しみ方も変わってしまいます。
読んでみた感想としては、IDW版タートルズは他のシリーズと違って家族として暮らすようになって1年(ラファエロは数か月)という短期間なので、まだ互いにちょっとぎこちないところがあったり分からない面があるなぁという微妙な距離感があるように思えます。しかし、そんなぎこちない仲から家族と言う強い絆で結ばれていく過程が描かれるというのもまた味わい深い話です。
ラファエロ編では新しくできた家族の存在に戸惑いつつも喜ぶラファエロとそんなラファエロを想って距離をとろうとするケイシーとの友情、そして新しい敵アロペックスの存在が描かれます。
ミケランジェロ編では人違いで犯罪者と対峙したミケランジェロの活躍が描かれますが、その時の活躍にミケランジェロが回想で兄弟と過ごした日々をヒントにするのが良いです。
ドナテロ編は偏屈科学者カービーとの話がメインですが、個人的にドナテロと話をする為にドナテロのプレイするゲームに興味を持とうとしてでも全く興味のないレオナルドとそんなレオナルドに苦笑するドナテロの関係が和みました。本編ではラファエロの生死や前世について少しピリピリしたやりとりが多かったので。
レオナルド編は他の3人と違ってシリアスで重い話で前世の記憶に苦しみ家族――母を奪われた過去に涙を流すレオナルドが印象的です。レオナルドは他シリーズでは涙を見せるキャラではありませんがそんなレオナルドが涙を流すほど家族を奪われたという記憶は彼にとって耐え難い記憶だったのでしょう。
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アメコミは輸入+邦訳という事情もあって1冊1冊はけして安くはないですが、読み終わった後の満足感を考えたら好きな人はどんどんアメコミを買って読んでほしいですね。ネットだけでなくアメコミ専門店など探せば比較的安値で買えますし。
本が売れないと続きのTMNT本が出版されないので日本のアメコミファンの人にもっともっとTMNTを注目してほしい……。