37.5℃の涙  作者・椎名チカ  掲載誌・Cheese!

 

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37.5℃。それは、保育園にこどもが保育園に行ける、体温のボーダーライン。

 

 

家族から虐待を受けて育った過去から感情表現が下手で特に笑う事のできない女性杉崎桃子。その所為で以前勤めていた保育園を利用する保護者から苦情がでて保育士を辞めざるを得なくなり新たに病気の子どもの世話をする病児保育士になった。笑顔を作れない杉崎だが、その純粋な性格と子どもを想う気持ちで様々な事情を背負った子ども達を救っていく。
病児保育とは熱を出したり感染症にかかったり入院明けなど体調面を理由に保育園や幼稚園に通えない子どもの世話を見る仕事の事でまだ日本では広まっていませんが、共働きやシングルで子どもを育てている親にとっては救世主のような存在です。この漫画はそんな病児保育について取り扱った漫画です。
主人公の杉崎桃子は虐待を受けて現在は家族とは絶縁状態という複雑な事情を背負っている女性。幼い頃の心の傷の所為で笑えないというハンデがありますが、不器用ながらも一生懸命子どもと向き合ったり時には仕事先の親に物申したり優しくてとてもガッツのある女性です。
作品内に登場する家庭も複雑な家庭が多く、夫と離婚して部屋の片づけもままならない位忙しいシングルマザー、俗にいうモンスターペアレント、夫が育児にも家事にも協力してくれず職場からの理解も得られない為にどんどん追い込まれていく働く母などなど……。なんと、物語の途中で杉崎を虐待していた兄の家に仕事で訪問するというエピソードもありますが……。
正直、こういうの読むと今の日本じゃ仕事と子育ての両立は大変通り越して無理なんじゃないかと思っちゃいます。そういう意味でも色々考えされられる漫画です。病児保育がもっともっと全国に広がったら良いのに。

 

ちなみにこの作品は2014年に1度連載終了していますが、2015年の7月にドラマの影響もあってなのか連載が再開しています。職場の上司、朝比奈元春との関係などまだまだ掘り下げられるエピソードがあると思うので期待です。