野田秀樹  職業:劇作家・俳優・演出家

野田秀樹

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今回紹介するのは劇団『夢の遊民社』の主宰者として多くの舞台を公演し、夢の遊民社解散後は演劇ユニット『野田地図』を設立し数々の舞台をプロデュースした演劇人である野田秀樹さんです。野田さんが手掛けた舞台の多くは野田さん自身が脚本・演出を手掛け自身も俳優として主役や印象深い脇役として出演しています。
近年では多摩美術大学で教授に就任し未来の演劇人の育成にも当たっています。
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解釈の難しい野田ワールド
野田さんの戯曲の特徴は駄洒落や言葉遊びをふんだんにしようした台詞回し、そしてシュールで物語の内容を説明しろと言われてもうまく伝えることの出来ないシュールな世界観で構築された独特の作品です。演劇ってこういうシュールな内容が多いですが、野田さんの戯曲は最初は意味の分からないシーンやセリフが後半になるにつれて「あれはもしかしてこういう意味なのかな?」となんとなく思えて全体を通して観てみると「この作品はこういう物語なのかな?」とぼんやりと分かるような気がします。しかし、台詞回しがあえて物語を分かりやすくしてくれることはなく、むしろ台詞回しが難解で物語を解釈させることを拒んでいるように思えます。しかし、訳分からないと思いつつも観る者を圧倒させるエネルギーを持っているのが野田ワールド。答えが明確ではない分観る人の数だけ答えがある作品だと思います。
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個性的な演技と存在感で観客を魅了
前述の通り野田さんが俳優としても舞台に出演しますが、野田さんは小柄な人で声も甲高く他の俳優と比べると悪い言い方になってしまうかもしれませんが浮いています。しかし、舞台の上ではその浮いてるところが逆に強烈な存在感を放ち、舞台上でも個性的な役を演じています。
野田さんの演劇は舞台を駆けまわったり、舞台のセットをよじ登っていくなどといった激しい立ち回りが要求される舞台があるのですが、野田さんは小柄な体格ながらもダイナミックな動きで舞台に躍動感を与え更に小柄さを生かして共演者に抱きかかえられて移動させる演出も可能で、テレビドラマでは低身長がネックになってしまう事もあるけど舞台ではその低身長さを武器に観客を沸かせています。