詭弁学派、四ッ谷先輩の怪談。  作者・古舘春一  掲載紙・週刊少年ジャンプ

四ッ谷先輩の怪談1巻

 

さぁ語ってあげましょう、貴方の為の怪談を!

 

 

行方不明になった親友を探すために、学校の屋上に住んでいると言われる“幻の生徒・四ッ谷先輩”の許を訪れた中島真。四ッ谷先輩に怪奇事件を解決してくれるという話を聞いて藁にもすがる想いで彼女は屋上の扉の前に立ち噂にあった呪文を唱えた。そして、噂通り四ッ谷先輩は彼女の前に姿を現した……。
以前紹介したハイキュー!!の作者、古舘先生の初連載作品、詭弁学派、四ッ谷先輩の怪談。ハイキューは爽やかなスポーツ漫画ですが四ッ谷先輩は人の欲望を描いたホラー漫画です。ハイキュー!!の作風とは全然違っていて最初読んだ時はそのギャップに驚きましたが、初連載とは思えないほど面白い作品です。
主人公四ッ谷文太郎は怪談と悲鳴をこよなく愛する変人。怪談を愛するあまりに自ら怪談を創る事に目覚め、意図的に自分の存在を怪談にしたり、卒業しているはずの中学に住みついたりその行動には狂気すら感じます。そんな彼の口から語られる怪談は知らず知らずのうちに彼の怪談の世界に彷徨い恐怖します。特に自分の心にやましい想いがある者には効果は絶大。この詭弁を駆使して様々な事件を解決していきます。
本作はホラー漫画ではありますが、実は幽霊や妖怪などは一切出てきません。それがかなり意外でした。代わりに四ッ谷先輩の怪談を聞いた者の幻覚や幻聴がかなり怖いです。迫力のある絵と演出が恐怖を更に増幅させます。

個人的にお気に入りなのは姉を理不尽な理由で奪われた青太に語る花子さんの怪談ですね。四ッ谷先輩の怪談の特徴を上手く使ったなと思います。
実は本作とハイキュー!!は世界観が繋がっていて、ハイキュー!!の作中にヒロインの中島真とその家族が登場しています。四ッ谷先輩もそのうちこっそり出てくれないかなぁと期待してたり。
コミックには四ッ谷先輩だけでなくデビュー作の王様キッドなどの先生が描いた読み切りも多数収録されていますので、是非そちらの方も読んでみてください。