掲載誌:週刊ヤングジャンプ

そう 勿論
からかい半分で
始めたのです

あらすじ
黒彦村に住む豊島マコトは読書が好きな内気な少年。マコトのクラスメイトの坂東大介は様々な武道を学ぶ声の大きく威圧的な少年でマコトは彼の事が苦手だった。
中性的な顔立ちのマコトは村議会の議員である父親がいない日曜日には姉たちによって女の格好をさせられ化粧まで施される。用を足しに部屋の外に出たマコトは女装した姿を大介に見られてしまう。大介はマコトだと気づかず、それどころか女姓だと思って一目惚れする。
初めて彼に対して優越感を抱いたマコトはそれから日曜日になると女装して大介が通う弓道の道場へ足を運ぶことにした。学校で大介に少女について尋ねられマコトは従姉妹の小百合と嘘を吐く。
しばらく大介の許を通っていたマコトだが、最近の大介は小百合を見ても調子を崩さない。大介が小百合に飽きたのだと思ったマコトは自分の小遣いで化粧品やアクセサリーを買い彼の気を引こうとするが、大介は調子を崩さない。買った女装の為の品が父親に見つかり大介は女装は辞めろ次にしたら勘当だと告げられる。
女装を止め大介の許に通わなくなったマコト。だが、小百合が来なくなったことで大介は落胆して調子を落としてしまった。大介は小百合に飽きたのではなく彼女が来ることで力を発揮できていたのだ。
大介が昇段審査の日。その日は父親も家にいた。しかし、マコトは家族の目を盗んで姉の服や化粧品を使い女装し大介の所に行った。マコトは知っていた。大介が他の門下生から浮いた存在で孤独であったことを。そんな大介にとって小百合はただ1人の心の支えであったであろうと。そう思った。
小百合に会った大介は“彼女”に必ず受かると宣言。周囲の冷めた様子に小百合は彼に女子というには憚られる野太い声援を送るのだった。
大介は試験に受かったものの、マコトは女装して外出した事がバレ父親に激しく叱られた。姉たちはもうマコトに女の格好はさせない。大介が小百合と会う事はもう二度とない。
マコトはその日、初めて自分から大介に話しかけた。
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日本文学の私小説のような語りが良い味出してます。気が弱く自分の意志で行動することがなかったマコトが女装を機に自分から行動するようになり、自分が振り回した少年の為に危険を犯して彼を助けます。大介は冒頭でマコトに話しかけてたから本当はマコトと友達になりたかったのかな? 大介が小百合に会う事はもうないけど代わりにマコトという友達を得る。そんな未来が想像できる余韻あるラストでした。