掲載誌:ミラクルジャンプ

はよう
春が来ると
エエのう

あらすじ
てんげん山にカムリという子供がいた。カムリは赤ん坊の頃に両親に捨てられた孤児だったがヤマウバという千年生きる巨大な男に拾われて以来ヤマウバと一緒に暮らしてきた。たまに人里に降りると人々からは恐ろしいヤマウバの子と恐怖の対象として避けられていたが、カムリにとってヤマウバは心優しく暖かい家族だ。カムリはヤマウバと暮らす平和な日々がずっと続くと信じていた。
てんげん山で6月になっても冬が続くというおかしなことが起きた。カムリはヤマウバを置いて1人山の神に会いに山の頂上のにある社に行くことにした。社にたどり着いたカムリは早く冬が終わらせ春を訪れさせてくれと山の神に願った。
山の神から返事はなく、仕方なくカムリはヤマウバの所へ帰ったが、それから三日後、ヤマウバは夢で山の神からお告げを聞いた。曰く、山の神はもう老い先短く跡取りが欲しい。そこでヤマウバの身体を依り代に新たな神の卵をヤマウバに育てさせることにした。初めは春がまた来るようになると喜んでいたカムリだったがヤマウバが卵を温めるために洞穴のなかで一歩も動かず、そんなヤマウバをカムリが世話をするようになった。ヤマウバは次第に荒れるようになり世話をするカムリに当たるようになってしまった。大好きなヤマウバの為に我慢するカムリだったが、とうとう限界が達し怒鳴り返してしまう。
それからカムリはヤマウバと目を合わさず口を聞かず、食事の世話だけはする日々。そんな生活を幾年か続きカムリも青年へと成長していった。ある日、いつものように狩った食料を洞穴に放り込もうとすると地面に花が咲いている事に気づく。そして洞穴の中から花を咲かせる子供が出てくるのを見て新たな山の神が誕生した、卵が孵った事に気づく。それでもカムリはヤマウバに会いたいとは思わずいつものように食料だけ渡して帰ろうとする。
洞穴に入ったカムリは木の根に覆われているヤマウバを見つける。すぐに助けようと刀で木の根を切り落す。木の根を切り落とし、2人はしばらくぶりに対面する。カムリを見つけたヤマウバは泣きながら今までの事を謝罪。ヤマウバの腕の中で春とは比べ物にならない温もりを感じ涙するカムリ。
2人はまた一緒に暮らすようになった。