神様のバレー  原作 渡辺ツルヤ 作画 西崎泰正 掲載誌・週刊漫画TIMES

神様のバレー1

 

野犬ってのは一度“勝利”の味を覚えてから食いっぱぐれるからその目を血走らせるのさ
野犬が生まれるのはこれからってこどだ

 

小さな実業団にアナリスト(相手チームのデータを分析するスタッフの事)阿月総一。自分を神と称するほどの傲慢な男だが、その自信に違えぬ分析力と日本のスポーツ界の常識を覆す合理的かつ冷徹な戦術を編み出す男だ。

ある日、所属するチームの会長から万年地区予選1回戦敗退の学校を全国制覇させたら全日本の監督に就任させるという提案をされ阿月はそれを受ける。当初は高校バレーと思っていた阿月だったが、その学校というのは私立幸大大学園“中学校”つまり中学バレーだったのだ。

 
今回紹介するバレー漫画は選手でもなく監督でもなくアナリストが主人公の『神様のバレー』です。主人公の阿月はアナリストとしては一流の素質を秘めているものの性格は超俺様。それはバレーの作戦にもでていて今までのスポーツ漫画にありがちな根性論や気合などの精神論を「気合や根性で勝てるわけねーだろ」と一蹴し、自分のチームの力を最大限に発揮させ相手チームがいかに嫌がる戦法をとるかに長けた“嫌がらせ”のような合理的かつ理論的な戦法なのがこの漫画の大きな特徴です。

一見すると性格の悪い阿月ですが、バレーに対する情熱は人一倍で、いつの日か全日本の監督になり世界を制する事を夢に掲げています。また、負けず嫌いで勝ち目の薄い勝負でも次を見据えデータ収集に余念がないという自分の仕事には手を抜かないストイックな面もあります(ゲーム好きのようで試合中でもゲームをプレイしている様子がありますが、それでもアナリストとして相手チームの分析はきちんと行っています)
コーチとして就任した私立幸大大学園中学校の監督鷲野孝子は元プロのバレーボール選手で徹底とした精神論主義者という阿月とは真逆の存在です。監督としての素質は皆無という訳ではありませんが、精神論や健全なバレーを重視するあまりチームはあまり強くなく阿月が来るまでは地区予選1回戦負けという成績でした。阿月と関わることで彼女の精神論がどう変化するのかにも密かに期待してたり。