猫絵十兵衛~御伽草紙~  長尾まる 掲載誌:ねこぱんち

猫絵十兵衛
絵を描こう
絵はいらぬか
猫描こう
鼠除け猫の絵
あらすじ
鼠取りになる猫の絵を売る猫絵師の十兵衛と元猫仙人の猫又のニタ。十兵衛が描いた猫絵にニタが力を入れて初めて十兵衛の絵は効力を発揮する。勿論、ニタがただの猫ではなく猫又なのは秘密だ。
江戸の街で十兵衛は今日も絵を売りに街を歩く。千両箱には相棒のニタを乗せて。
***
今回紹介するのは『猫絵十兵衛~御伽草紙~』です。動物や植物は上手いけど人の絵を描くのは苦手な猫絵師(実在した職業らしいです)と人語を話す猫又のニタが行く先で様々な人や猫に出会う1話完結式の作品です。
所謂人情ものというジャンルで、大きな感動とか盛り上がる展開とかそういうのはないのですが、人と猫との絆を描いたお話は読んでいてじんわりと心が温かくなるお話です。
また、猫又といったファンタジー要素はありますが、江戸時代の文化や言葉なども積極的に取り入れて時代物の要素もあるので、そういうのが好きな方はぜひ。主人公の十兵衛は比較的今風の髪型ですが、他のキャラの多くは月代(ちょんまげの事)だったり現実の江戸時代でしていたであろう髪型に描かれているのも風情があっていいですね。
作中の猫はデフォルメはされてるもののリアルよりに描かれていて、中にはちょっと不細工な猫もいるんですが、皆愛嬌があって可愛く思えてきます。
私が一番好きな猫はトラ助です。『トラ助の一日の巻』で見せた子猫の幼さとくるくる変わる表情に一気にノックアウトされました。可愛い。