シャイニング  原作者:スティーブン・キング  監督:スタンリー・キューブリック 脚本:スタンリー・キューブリック ダイアン・ジョンソン

あらすじ
コロラド州のロッキー山上にあるオーバールック・ホテル。小説家志望のジャック・トランスは、雪深く冬期には閉鎖されるこのホテルへ、管理人としての職を求め家族を引き連れ訪れた。
支配人のアルマンは、「このホテルは以前の管理人であるチャールズ・グレイディが、孤独に心を蝕まれたあげく家族を斧で惨殺し、自殺したといういわく付きの物件だ」と語るが、ジャックは気にも留めず、妻のウェンディ、一人息子のダニーと共に住み込むことを決める。ダニーは不思議な能力「シャイニング」を持つ少年であり、この場所で様々な超常現象を目撃する。
ホテル閉鎖の日、料理長であるハロランはダニーとウェンディを伴って、ホテルの中を案内する。自身も「シャイニング」の能力を持つハロランは、ダニーが自分と同じ力を持つことに気付き、「何かがこのホテルに存在する」と彼に語る。そして、猛吹雪により外界と隔離されたオーバールック・ホテルで、3人だけの生活が始まる。(Wikipediaより)
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スタンリー・キューブリックが描く狂気の世界『シャイニング』の紹介です。本作はキューブリック映画の中でも人気が高く現在でも様々な形でオマージュされていますが、原作であるシャイニングの作者のスティーブン・キングは本作の事を毛嫌いしている事でも有名です。
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創作者としての狂気
本作の魅力はなんといってもキューブリックの病的なまでの完璧主義が生み出す徹底したこだわり。ワンカットの撮影に何度も何度もNGを出したエピソードは有名で役者サイドはたまったものではないでしょうが、それ故圧倒的な演技で見るものを恐怖に陥れました。特に主役のジャックと妻のウェンディの役者の演技はまじで精神がやられた人みたいでした。この2人の演技がなかったら本作はここまで評価されていなかったんじゃないでしょうか?
カメラワークも見事なもので、冒頭の空から撮影した壮大な大自然を走る1台の車・ステディカメラを駆使した登場人物を追いかけるカメラワークなど私の語彙力では説明しきれないくらい美しい。
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何故スティーブン・キングに嫌われたのか
スティーブン・キングと言えばアメリカを代表とする作家で『スタンド・バイ・ミー』『ミスト』の原作となる小説を発表しました。
そんな大作家なので作品の多くはドラマ化・映画化されていて、中には評判の悪い作品もあります。しかし、キングはそんな作品よりもシャイニングに対して強い拒否感を示しています。
それは本作が原作と設定・結末を大きく変えた事でキングが小説の中で描きたかった父と子の間にある確かな愛情が映画では薄まったからだと思われます。
ttp://kubrick.blog.jp/archives/cat_50010624.html?p=2
こちらのファンブログで本作の考察が深くされているのでキューブリックファンは必読です。このブログ読まなかったら作中の「私を噛んだ犬の毛」の意味や(誤訳と言うより英語独自の言い回しを直訳したため日本人には伝わらなかった)ホテルの謎が分かりました。まぁ、あくまで1つの仮設であって本当にそうなのかはキューブリックのみぞ知るところですが。
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ちょっと心配
80年代の映画なので今見るとちょっとこれやばいんじゃないの的なシーンや設定があって。
・妻の描写
最近の海外ドラマや洋画では自立した女性が好まれますが、本作のウェンディは夫に強く言えない気弱な女性として描かれていて(原作だと気丈な女性)今の視聴者の求める海外女性像とはちょっと違うかなって思ったり。まぁ、気の弱い女性は出しちゃ駄目なんてそれこそ差別なんでウェンディはそこまで問題にはならないかな。
・全裸
女性のヘアヌードがボカシなしで登場します。年齢制限があるでしょうが、大丈夫なのかなって心配になりました。
・黒人差別
本作は黒人への蔑称がピー音無しで言うシーンがあります。この黒人差別・ネイティブアメリカンへの差別が重要なキーであるのでキューブリックが黒人差別者であるわけではないと思うんですが、もしかしたらこの描写を巡って本作は発禁になったりするかも。