パプリカ  監督:今敏  脚本:水上清資・今敏  原作:筒井康隆


「私の夢が、犯されている―/夢が犯されていく―」

あらすじ
パプリカ/千葉敦子は、時田浩作の発明した夢を共有する装置DCミニを使用するサイコセラピスト。ある日、そのDCミニが研究所から盗まれてしまい、それを悪用して他人の夢に強制介入し、悪夢を見せ精神を崩壊させる事件が発生するようになる。敦子達は犯人の正体・目的、そして終わり無き悪夢から抜け出す方法を探る。(Wikipediaより)
***
今回紹介するのはアニメ映画『パプリカ』今敏監督最後の監督作品で原作はエログロバイオレンスからジュブナイルまで手掛ける作家の筒井康隆先生の原作をアレンジしています。
冒頭から小さなおもちゃの車からどう考えても入る事すらできないピエロが出てくるという奇抜な演出から始まり、後にそれは粉川刑事の悪夢であることが判明。それからは目まぐるしく変わる夢の世界の連続。この時点で圧倒されます。
その後舞台は現実にうつりますが、DCミニが悪用された事で精神を崩壊させる人が現われます。千葉は犯人を捕まえる為に奮闘します。
***
これが本当の豪華声優!
主人公の千葉敦子(そしてパプリカ)を演じるのは数々の代表作を持つ声優界のレジェンド・林原めぐみさん。
林原さんの声質は今どきのテンプレ化されたアニメ声とは違いますが、どちらかと言えば少女を思わせる声質なのでパプリカみたいな作品に合うのか疑問でしたが、いざ観てみると千葉の気だるげな演技とパプリカの掴みどころのない女性の演じ分けは素晴らしかった。
本作は難解な台詞回しが多々ありますが、そういった作品って役者の力がないとチープに聞こえると思うんです。でも本作はベテラン・中堅どころがたくさん出演するのでそういう難解さもいい意味で役者のパワーで押し切った部分もあるのではないでしょうか?
ゲスト声優と言っていいのか分かりませんが俳優の江守徹さんが乾精次郎として出演しているけど、本物の俳優とはこういうものかと感動しました。声だけで伝わる存在感と不気味さ。すごかった。
あと、特別出演で筒井先生と今監督も出演してますが(多分バーの店員の男がそう)割と良かったです。少なくともひどい棒読みじゃない。
***
奇抜な演出と難解な台詞回しですが、主軸のストーリーは悪夢に侵食される現実をどうするか、と分かりやすく冒頭のシーンがこういう風に繋がるんだと思ったり、結構計算されて作られているなって思いました。少女革命ウテナみたいな感じでしょうか?
本作のはじまりは粉川の夢で始まり、悪夢を乗り越えた粉川の現実で終わる幕引きも綺麗に終わったって感じで私は好きです。