少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録

僕も分かったよ、どうして君が僕を求め、僕が君を拒まなかったかが。僕たちは、王子様を死なせてしまった共犯者だったんだね

あらすじ
私立鳳学園に転校してきた男装の麗人天上ウテナは神秘的な雰囲気を持つ美少女・姫宮アンシーと幼い頃幼馴染として親しかった桐生冬芽(きりゅう とうが)に出会い、白い薔薇から出現した薔薇の紋様が刻まれた指輪を手に入れる。
決闘ゲームに巻き込まれたウテナはやがて忘れていた大事な事を思い出し、アンシーと供に『外の世界』にでようとする。
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劇場版少女革命ウテナアドゥレセンス黙示録。TVアニメ版とは一部の登場キャラクターの立ち位置・境遇・外見が変更されて世界観・ストーリーもどこか異なるものの、TVアニメ版よりも分かりやすくなっています(それでも解釈しにくい場面はいくつかありますが)TVアニメ版を見ても分からなかった人もこの映画を見た後でもう一度TVアニメ版を見ると新しい発見があるかもしれませんね。ちなみに映画版ではウテナとアンシーの同性愛的なシーンがあり、何度もキスをしています。
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ウテナとアンシー
TVアニメ版では抑圧された自我の象徴で自分の意志を示す場面が最終回のラストを除いてほとんどなかったアンシーですが、映画版では真意は掴みにくいものの自分の意志で行動しているような場面が見られます。外見もTVアニメ版の癖の強いウェーブからストレートヘアーかつ裸眼に変更されています(なお、TVアニメ版ではメガネをかけていますが別に目が悪い訳ではなく最終回もメガネを外して学園から旅立っています)対してウテナはウェーブのかかったロングヘア―に変更されており、TVアニメ版と劇場版では2人の外見的特徴が入れ替わっている印象が見受けられます。何だか意味深です。
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時に愛は
本作の挿入歌の『時に愛は』がすごい印象的です。歌の内容は運命に引き裂かれた2人が再び出会うというものですが、TVアニメ版で一度離別したウテナとアンシーが映画版で出会う(再会)事を考えると色々想像力を駆り立てます。作中ではウテナとアンシーの幻想的で美しいダンスシーンとクライマックスに流れるので印象に残ってる方も多いんじゃないでしょうか。
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鳳暁生
鳳暁生が一番TVアニメ版と映画版で立ち位置もキャラクター像も変更されているんじゃないでしょうか(ついでに声優も違う)
TVアニメ版では『王子様のなれの果て』であり、過去の気高さを忘れられずそれをもう一度手に入れようとする『大人』として登場しましたが、劇場版では『死んだ王子様』という立ち位置で、アンシーに禁じられた想いを抱き罪を犯し更にそれをアンシーに知られていた事から『車の鍵』を亡くし錯乱して自殺し、以降は幻影としてアンシーやウテナの前に立ちふさがります。劇場版は個人的に『大人になることを拒み、かといって過去の自分には戻れずに自分の殻に閉じこもった少年』って感じがしたんですが他の人はどういう解釈だったんでしょうね?
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まさかのカーチェイス
終盤ではウテナは車に変身し(ほんとそのままの意味で)鍵を手に入れたアンシーがウテナカーに乗り外の世界へと行こうとします。この作品では車は『大人の象徴』として頻繁に登場していますが、アンシーが鍵を手に入れて車を運転するという事はアンシーが大人になったという事でしょうか。ちなみにウテナ以外にも高槻枝織(たかつき しおり)が車に変身し、他にも登場人物が車に変身したと取れる場面があります。
車に乗れたアンシーはまだ解釈できるけど、車に変身はどういうメタファーなんだろう?
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