ポールルームへようこそ  作者:竹内友 掲載誌:月刊少年マガジン

ボールルーム

みんな言ってる
会場中のダンサーみんなが――
「見ろ」
「俺を見ろ」
あらすじ
特別に成績が良い訳でも運動神経が良い訳でもない。将来の夢もやりたいこともない。そんな中学3年生の冨士田多々良(ふじたたたら)電柱に貼られていたアルバイト募集のポスターを見ている時に不良に絡まれる。そんな冨士田を助けたのは仙石要。仙石はプロのダンサーで冨士田が電柱に貼られていた社交ダンスのポスターを見ていたと勘違いして冨士田を助けて小笠原ダンススタジオの体験レッスンに連れていく。
場の空気に流されて体験レッスンを受ける事になった冨士田はそこで同級生の花岡雫に出会う。彼女はアマチュアの選手で本気でプロを目指す彼女は冨士田を女性目的の冷やかしと思い彼に冷たい言葉を浴びせる。花岡のダンスへの情熱を垣間見た冨士田は彼女に引け目を感じて逃げるようにスタジオを後にする。帰宅後、ダンススタジオのスタッフのたまきが冨士田のバッグにこっそり社交ダンスの大会のDVDを入れており、軽い気持ちでそれを見る冨士田は大会のダンサーの姿に心を動かされ自分もプロになる決意をする。
ダンスを初めてしばらくして、冨士田は試合で花岡とペアを組んでいる兵藤清春の圧倒的なダンスを目の当たりにしプロになる過酷さを実感する。一方兵藤は冨士田がシャドーイングだけで相手の動きを物にするずば抜けた観察眼の持ち主だと知りわずかに動揺をする。
10月に行われる全日本ダンス選手権で観客として大会に足を運んだ冨士田。しかし予選で兵藤が姿を消し、仙石は冨士田に代わりに出ろと言い……。
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今回紹介するのは社交ダンス漫画『ポールルームへようこそ』の紹介です。ジャンプで連載されている『背すじをピンと』と比べると社交ダンスに対する情熱やプロになる夢が重点的に描かれているスポ根要素の強い作品です(作風が違えどどちらも面白い作品です)
主人公の冨士田多々良が無気力に生きてきた日々から一転してプロと言う過酷な道を歩んでいく。運動神経が良い訳ではない冨士田ですが、目の悪い祖母の為に相撲の中継を細かく祖母に伝えてきた経験からくる観察眼で、プロの仙石やずば抜けたダンススキルを持つ兵藤の動きすら真似てしまうという特技を持ち、この特技で良いダンスを積極的に吸収し、その動きをひたすら反復練習する地道な努力で力をつけていきます。
華やかで迫力のあるダンスシーンも見所なんですが、個人的にこの漫画のキャラクターの目の描き方が好きです。目で物を語ると言わんばかりにその時のキャラクターの感情が読み取れるような眼力に圧倒されます。