ペン太のこと  作者・片倉真二  掲載紙・Webコミックサイト モアイ

ペン太1巻

 

人から産まれた訳じゃない
もちろん戸籍だって無いけれど
その子は間違いなく僕の子だったんだ

 

仕事のストレスや嫁さんとの喧嘩が続く毎日。そんなある日気晴らしで立ち寄ったペットショップで出会ったアメリカンショートヘアの子猫。子猫にペン太と名付けペットとして飼う事になった。家に連れ帰ったペン太に始めは不満そうな嫁もペン太の可愛さに絆されて、2人の間に流れていた冷めていた空気を暖めていく。
原画家・イラストレーター・漫画家と幅広く活動をしている片倉真二先生がWebで掲載していた漫画を大幅加筆して連載されているペン太のことを紹介します。本作は先生の飼っている猫達との日常と描いたエッセイ漫画です。猫はペン太以外にも複数匹いるのでまずはその紹介から。
ペン太
アメリカンショートヘアの♀。ペットショップで他の猫に踏まれても全然気にしないで爆睡している程のおっとりな性格で飼い主である先生の事が大好き。まったりしていて他の猫達より運動神経がよろしくない。

ポン太
キジトラの♀。ペン太の遊び相手として迎えられた。人懐っこい性格で甘え上手。始めはペン太と喧嘩ばかりしていたが先生が神社で仲良くなれるように神頼みした日に急速に仲良しになる。嫁さんが泣くと傍によって慰めて、作者夫婦が喧嘩をすると嫁さんに寄り添って喧嘩を仲裁してくれる優しい仔。

金太
♂。嫁さんが連れてきた。嫁さんは自分にだけ懐かせようとしていたが食べる事が大好きな食いしん坊な為こっそり餌をくれる先生の方に懐く。とにかく食い意地が張っていて他の猫の食べ物も夫婦の食べ物も食べる。

はむ
♂。通称はむやん。ペットショップで出会った時はひどく小さくやせっぽちだったため売れ残りを危惧した先生に飼われる。冬になるとコタツから出ないで温かくなるとコタツから出てくるので彼がコタツから出ると春が訪れたという事。

はたけ
メインクーンの♀。嫁さんの知人のブリーダーから貰った。非常に憶病で家や夫婦に慣れるのにも数年かかった。またその性格から段ボールなどに顔を入れるのが好き。
基本はこの個性溢れる猫達の物語ですが、ペットの死と言う避けては通れない別れのお話も描かれています。ペン太は10歳を迎える1週間に末期ガンを宣告されて2カ月の余命を告げられます。ペン太に少しでも長生きしてほしい夫婦の尽力もあって余命より長くは生きる事ができましたが、病魔により弱っていくペン太とどんなに力を尽くしても助けられない先生の無力感が絵の中に込められています。私はペット飼ってないんですけど、もう泣いちゃいました。最初の幸せそうな温かな日常の落差が余計に涙腺を緩めるんですよ……。
生き物を飼う喜びと楽しさ、そして覚悟を教えてくれる漫画だと思います。これからペットを飼おうと考えている方に特に読んでほしいです。