ファイアーエムブレム 暁の女神  開発:インテリジェントシステムズ 販売:任天堂

FE暁の女神
共に戦い、共に生きる

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前作でプレイヤーにとって悪サイドだったデインサイドで語られる物語、王の教育を受けなかったが為に貴族から認められず民からもその政策について非難の声が起こりクーデターが起こるという重いストーリー、そしてアイク達とミカヤ達を敵として戦う第3部はプレイヤー側にどちらにも正義や守るべきものがある事をはっきり認識させて心苦しくなりながら惹きつけられる展開になっています。
しかし、魅力的な面も確かにあるのにこのゲームの評価は今一つ。何故ここまで評価が低いのでしょうか?
・支援会話システムの簡素化
本作では後半部隊を3つに分けて進めるというシナリオ展開上なのか支援会話が全キャラに付けられる代わりにテンプレのものになっています。支援会話はキャラの過去や背景を掘り下げたり世界観を広げるのに一役買っていたものなのでこれが簡素化したのは残念。その影響か後日談変化(今までは支援会話Aにする事によって後日談が変化していきました)も非常に少ないです。
・新キャラの冷遇
本作の登場キャラはほとんどが前作から続いて登場したキャラで、その為プレイヤーの多くは今作からの新キャラよりも前作からのキャラの方に感情移入したり、戦闘で好んで使っていたでしょう。物語もアイク中心になり、新キャラで目立ったのはミカヤ位で序盤共に戦った暁の団は後半ではほとんど出番がありません。おまけに戦闘面においても前作キャラの方が強いキャラばかりでその面でも冷遇されています。
後に公式サイトで暁の団のキャラの裏設定が記述されましたが、こういう設定は支援会話やイベントでゲーム本編に使われたらキャラへの感情移入とかはもっと深まるのにと思いました。
・サザへの扱い
新キャラだけでなくサザの扱いにも不満の声があがっています。前作でサザは大器晩成という経験値が入りにくい代わりにステータスの上がりが良い特別なスキルを所持し、べオグサイドで珍しい戦闘時に敗れても死亡ではなく撤退という特別扱いでした。この為ファンは前作の時点で続編が出たらサザが登場する・続編の主人公と予想されていました。
しかし、本作では確かに登場したものの作中の扱いは良くなく、徹底としてミカヤのサポート役として描かれ敵との会話でも凡人と言われています。凡人というキャラでも物語には活躍させる事は可能だし、凡人と切り捨てず才能がない者でも活躍できるシナリオにしてほしかったと思います。
・ラグズの王族が強すぎる
前作ではラグズの王族は最終章の助っ人としてでしたが、今作ではラグズの王族は全員仲間にする事ができます。ラグズは強い者が王になるので当然ラグズの王族のステータス・能力は非常に高く、これによってゲームバランスが大きく崩れたと非難されました(一応ラグズの王族を使わないというプレイスタイルでカバーできなくはないですが)
・血の誓約
この血の誓約の力は非常に強力でチートすぎるんじゃないかという声が上がっています。また、誓約書にサインする前に破った場合の不利益に気づかないのかというツッコミも。
・第3部ラストからの展開
第3部でアスタルテの目覚めから人々が石化し戦争は強制的に集結しアイク達はアスタルテと彼女が選んだ人間(使い捨てで用が済んだら石化させるつもりだった)と戦います。この展開が唐突すぎるという声が少なくありません。
・狙いすぎじゃね?
ある手順を踏むとセネリオの過去が語られるイベントが起こります。このイベントでセネリオがアイクに依存的なまでの忠誠心の理由が明かされますが(まぁ、前作の時点でもアイクとセネリオの支援会話を見たら理由は語られますが)このイベントでのアイクの行動が一部では腐女子(男同士の恋愛描写を好む人の事)を狙ってるんじゃないかという意見があります。ネタバレしますと過去を語るうちに泣きだしたセネリオをアイクが抱きしめるという展開でブロマンスの範囲といえば範囲なのですが、狙ってると言われたら狙ってるよなぁというのが個人的な意見。
・海外版の追加
日本より後に発売された海外版では日本版よりも多くの追加要素・設定変更があり、それについての不満意見もあります。せめて後にDLCで日本でも配信してくれたらよかったのに。
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もう一度書きますが私は本作好きです。アスタルテとの戦いも唐突さはあれど、壮大な物語のラストを飾るボスとしては申し分ない相手ですし、EDの〆も好きです。ただ、一部のキャラの扱いやゲームバランス、支援会話システムと後日談分岐については残念さが強いなと。もう発売して随分経つし、蒼炎の軌跡と暁の女神を一本にしたリメイク版(バグやゲームバランス修正・海外版で追記された部分を収録。イベントやシナリオを追加して唐突感を減らす)を出してくれないかなぁ。