バッテリー  原作・あさのあつこ  漫画・柚庭千景  掲載誌・月間あすか

バッテリー1

 

そうだ、本気になれよ。本気で向かってこい。子どもだとか小学生だとか中学生だとか、関係ないこと全部すてて、おれの球だけ見ろよ。

 

 

天才野球少年、原田巧、ポジションは投手。中学入学前に父親の転勤により新田高校の元野球部の監督で何度も野球部を甲子園へと導いてきた名監督の祖父のいる岡山県新田市に引っ越してきた。そこで原田は永倉豪という中学生ながらも高校生と間違えられる程体格のいい少年に出会う。永倉も野球少年でありしかもポジションは投手の女房役と言われるほど投手にとっては大きな存在である捕手であった。
作家、あさのあつこ先生の代表作で映画化もされた児童文学、バッテリーのコミカライズを紹介します。
題材に野球を取り扱っていますが、本作はどちらかといえば野球よりも天才であるがゆえに傲慢で周囲と亀裂が生じやすい原田巧と彼の才能に惚れ込みながらも複雑な想いを抱く相棒の永倉豪の葛藤と成長を描いた物語だと思っています。
あさのあつこ先生の持ち味である思春期の少年特有さや自惚れや孤独感が読んでて痛くなるくらいまで表現されています。漫画版はその痛々しさは柚庭千景先生の優しいタッチで緩和されているので個人的には漫画版の方が読みやすいです。

主人公の原田は刺々しい言動をしているので誤解されやすいですが、性格は不器用なくらい真っすぐでとにかく野球には真摯に挑んでいます。しかし、家族では弟の原田青波以外にはその想いを理解されず(母は野球嫌いで父は野球に関心がない)やり場のない苛立ちを抱いています。永倉も医者になってほしい母から野球をする事を反対されてあまり良い環境にあるとは言えません。
また中学を入学してからも、先輩達と対立して事件が起きたり原田の才能の前に永倉が挫折するなど2人の野球人生は波乱に満ちています。そうした中で2人がどういう成長を遂げるのか、ぜひ読んで確かめてみてください。