スパイラル~推理の絆~  原作:城平京 作画:水野英多  掲載誌:月刊少年ガンガン

スパイラル推理の絆
推理せよ真実のために
推理せよ大切な人を守るために
推理せよ兄を超えるために!

あらすじ
「ブレードチルドレン」の謎を追う。そう言い残して兄・鳴海 清隆(なるみ きよたか)は姿を消した。以来鳴海歩は清隆の妻で初恋の人である鳴海 まどかと暮らしていた。
高校1年生になった歩はある日学校内で起きた女子生徒の転落事件の犯人と疑われ、新聞部の部長・結崎ひよのと共に真犯人を見つけることに。犯人と被害者は清隆が追っているブレードチルドレンだった。
この事件を境に歩はブレードチルドレン、そして己の運命と戦う事になる。
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今回紹介するのは月刊少年ガンガンで連載していた『スパイラル~推理の絆~』です。ジャンルはミステリーですが、『名探偵コナン』や『金田一少年の事件簿』のように事件が起きてそれを探偵=鳴海歩が解決するのはごく序盤だけで次第にブレードチルドレンやミズシロ 火澄(ミズシロ ヒズミ)そして兄・鳴海清隆との頭脳戦がメインになっていきます。
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とにかく過酷な境遇・運命
本作の主人公・鳴海歩はクールでドライで探偵ものによくいる事件や真実を求めて無茶をするタイプではありません。しかし、歩の望もう望まない関係なしに次々と彼の前に困難が降りかかってきます。
もうずいぶん昔の作品なんでネタバレしますが、とにかく歩が悲惨な境遇かつ過酷すぎる運命背負ってるんですよね。
・何をやっても兄には叶わず、幾度も挫折してきた。
・初恋の人は兄と結ばれ、それだけでなく兄から自分の恋心を吹聴されていた。
・両親は兄ばかり気にかけ自分に興味がない。
・そもそも兄に何かあった時の為に母親が作り出した清隆のクローン。
・クローンなので短命の運命。
・序盤から登場した相棒と呼べる女性は実は清隆の手の者で全て清隆の手の内だった。
最後は清隆に打ち勝つものの、クローン故に寿命の限界はきていてラストでは身体も満足に動かなくなっている状態です。歩は皮肉屋でドライな言動で周囲を怒らせたりしますが、それくらい好きに言っても割に合わないくらいの不幸っぷり。
好きだったけど手放さなければならなかったピアノをもう一度取り戻す事ができて、本人は結構満足そうだから後味は悪くないのが救いですが……。
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壮大かつファンタジー要素が強くてミステリーとして読むと面食らう作品。ですが、原作の城平京先生が書いたノベライズ版は序盤のようなミステリー路線で、こちらは本編よりコミカルでこっちもおすすめです。