クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望  監督:本郷みつる  脚本:本郷みつる・原恵一

雲黒斎の野望

『しんちゃん、3回だいへんしん!』
あらすじ
30世紀の未来のタイムパトロール隊員であるリング・スノーストームが、タイムマシンに乗って時空間をパトロールしていたところ、戦国時代に何らかの異変が生じていることを感知。調査に向かう彼女だったが突然、謎の時空魚雷の強襲に遭ってしまう。なんとか攻撃を振り払うも不時着した場所は、作中で「現代」に当たる野原家の地中深くであった。
タイムマシンの故障により身動きも取れず、タイムパトロールと連絡も取れないリングは、地中から緊急非常用のマイクロマシンを使い、野原家のペット・シロの体を借りて、野原家の3人とコンタクトをとり、戦国時代に何らかの異常が発生している事を伝え、共にその原因と解明に向かうことに。野原一家3人は万能ジャージ(タイムスーツ)に着替え、緊急用の3人乗り球体型タイムマシン(使い捨て)に乗り込み、16世紀の戦国時代へとタイムスリップする。
一家が降り立ったのは、春日部城の跡地。そこへ雲黒斎の手下の忍者軍団が襲いかかるが、謎の少年剣士がこれを蹴散らす。その剣士・吹雪丸は春日部城の跡取りであり、城は雲黒斎の手により攻め滅ぼされてしまったのだという。吹雪丸は一族に古くから伝わる「城が危機に陥ったとき、3人と1匹の勇士が現れ、危機を救う。」との言い伝えから、野原一家に協力を求める。自身の身にも危険が迫ったことで最初は拒絶の意を示そうとした一家も、忍者にみさえのバッグ(預金通帳・実印入り)を奪い去られてしまった事から協力せざるを得なくなってしまう。
その後、目的地である雲黒城を目指す野原一家と吹雪丸の前に、雲黒斎の刺客・またたび猫ノ進が現れる。猫ノ進が母の仇であることを知り、逆上した吹雪丸は我を失い危機に陥るも、しんのすけの着用していた万能ジャージに搭載されていた「たすけてケスタ」と叫ぶことで使用できる「お助け機能」により、猫ノ進を退けることに成功。しかしその直後、今度は同じく雲黒斎の部下であるダイアナお銀が現れ、みさえとひろしは彼女の不思議な力によってビー玉に姿を変えられてしまうのだった。(ウィキペディアより)
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今回紹介するのは『クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望』です。物語はリングと共に野原一家が戦国時代に行きそこで吹雪丸と共に雲黒斎を倒す前半と現代に戻った野原一家がヒエールに支配されたパラレルワールドの現代を元に戻す為にヒエールと戦う後半の2つの構成でできています。
前半の時代劇は子供向けアニメながら本格的な時代劇になっていて、吹雪丸の台詞に「憂い」「女人」など子どもには分かりくい古風の話し方で(でも子どもの頃観た時、不思議と気にならなかったんですよねぇ。古風でも何となくこういう事言いたいんだなってのは理解できてたんだと思います)だからこそしんのすけ達に現代の言葉づかいを教えられてその言葉を吹雪丸が言うというやりとりもできたんだと思います。
話し方だけでなく、「千人殺し」という銃を敵が発砲した時に、よく見ると部下が弾を入れてたり、長篠の戦で使われたとされる戦法を敵が使用している(ただし、これに関しては本当に使われたのかは疑問視されているみたいですが)吹雪丸の刀が刃こぼれする(刀は切れ味が良い反面耐久度が低い)など制作側のこだわりが感じられます。この時代考証のこだわりは後の『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』でも発揮されます。
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子供の頃は気づかなかったんですが、この映画では多数の死者が出ており、今作は野原一家が人を殺しているんですね。子供の頃は倒れたり黒焦げになっててもギャグ漫画補正で生きてると思ってたんですが、ウィキペディアではヒエールは死亡と書かれてました。吹雪丸が人を殺すのはあの時代だから仕方ないとは思うんですがヒエールに関しては黒焦げになった後リングが逮捕という形で良かったかも。
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気になったのは吹雪丸とリング・スノーストームの関係について。リング・スノーストームは直訳すると吹雪丸。容姿も似ているので恐らくリングは吹雪丸の子孫なのでしょうが、吹雪丸はヒエールが介入しなかった歴史では城の城主となっていた。つまり男として生き続けたという事。果たして吹雪丸が結婚できたのでしょうか? 容姿も似ているという事は血の繋がった先祖と子孫の間柄なのでしょうが、一体どういう経緯で吹雪丸は夫を迎えそれに対して周囲にどう言ったんだろう?