クレヨンしんちゃん オタケベ!カスカベ野生王国  監督:しぎの あきら  脚本:静谷伊佐夫

カスカベ野生王国
『解き放て、おバカ本能』
あらすじ
しんのすけが住むカスカベ市ふたば町では、新しい町長に就任した四膳守(しぜん・まもる)を中心にエコロジー活動が盛んになっていた。ある日、ふたば幼稚園の課外授業で地域の清掃活動に参加していたしんのすけは、河原で謎のアタッシュケースを発見。その中に入っていた不思議な緑色のドリンクを拾い持って帰る。ところがその夜、後で飲もうと冷蔵庫に冷やしておいたそれをひろしが飲み、さらにみさえまでも飲んでしまう。すると翌日、二人は徐々に動物のような仕草をとり出すようになり、遂にある日ひろしは鶏、みさえは豹に変身してしまった。驚く一家の下に突然ブンベツと名乗る男が率いる謎の集団が現れ、その場にいたかすかべ防衛隊とひろし達を捕える。かすかべ防衛隊の面々は何とか逃げ出すが、ひろしとみさえは謎の集団に連れ去られてしまった。
そんな中、しんのすけとかすかべ防衛隊の面々は謎の集団を追って現れた「ビクトリア」と名乗る女性と出会い、彼女から四膳の正体を知らされる。四膳は実は過激な環境保全組織「Save Keeping Beautiful Earth(通称:SKBE(スケッベ))」のリーダーで、人類を動物に変えることで環境破壊に歯止めをかける計画「人類動物化計画」を進めており、ひろしとみさえが飲んでしまったドリンクは彼がその計画のために開発した人間を動物に変えてしまう「人類動物化ドリンク」だったのだ。そして、一度「人類動物化ドリンク」を飲んで動物になってしまった人間は、自分が人間だった事や人間だった時の記憶をすべて忘れてしまうのだとも…。
四膳がひろし達の体から「人類動物化ドリンク」のエキスを取り出そうとしていることを聞かされたしんのすけは、ひろし達を救うべくひまわりとシロ、ビクトリア、半動物化したかすかべ防衛隊と共にSKBEの基地へ向かう。果たして、しんのすけ達は四膳とSKBEの野望を打ち砕く事が出来るのか?
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今回紹介するのは『クレヨンしんちゃん オタケベ!カスカベ野生王国』です。この映画では自然保護がテーマの一つとして描かれていて、それは子供向けアニメでは珍しくないのですが、この映画では自然保護を訴えるあまり過激な行動や主張をする団体が敵であり、そういう団体への皮肉が込められたのが少し珍しいなと思いました。
また、この映画では珍しくみさえとしんのすけの母と子の絆がメインに描かれています。みさえはテレビではひろし以上に出演しているのでその影響か映画ではどちらかといえばひろしとしんのすけに焦点が当てられることが多く意外にもみさえとしんのすけの関係はあまりピックアップされていませんでした。しんのすけが下品な事をしたり生意気な態度を取れば遠慮なく叱る(まぁ、最近は規制でげんこつやぐりぐり、下ネタは少なくなりましたが)みさえですが、そんなしんちゃんを「良い子」っていうみさえはやっぱりしんちゃんを愛しているんだなぁと思いました。
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この映画の面白いところはキャラクターの動きがコミカルで細かく動いているところ。個人的にお気に入りなのがペンギンに変身した風間くんが他の動物に変身したネネちゃん・マサオくん・ボーちゃんと違って活躍できずそれをしんのすけに皮肉られた後、岩から降りる際にペンギンなのに飛ぼうとして失敗するシーン。活躍できない自分を気にしていて何か動物の力で出来ることは無いかと試してみようとして(ペンギンは空飛べないけど)失敗して凹む風間くんの気持ちが短いシーンで読み取れて、このシーンがあるから後に水中で活躍できた風間くんの喜びがより視聴者にも分かったと思います。
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ただ少し残念だと思ったのが、動物化が進んで正気を無くしたみさえが正気を取り戻すシーン。このシーンがどうも『オトナ帝国の逆襲』のシーンと被って、どうしても二番煎じに思えてしまいました。