ぼくらの  作者・鬼頭莫宏  掲載誌・月刊IKKI

ぼくらの1

 

中学生になった時、 ぼくらはもう一人前で自分でなんでもできると思った。
ぼくらは泣いたり笑ったり怒ったり、 もう、この世の中のことはほとんど知った気になっていた。
でも本当は父や母に守られ社会に守られてるただの子供だった。
本当の悲しみや喜びや怒りは、 そんな日常の中にはなかった。
それを知ったのはぼくら15人が集まり、 そして、 あれ、 あれに、出会ってからだった。

 

 

夏休みの自然学校に参加した15人の少年少女がココぺリにゲームに参加しないかと誘われる。ゲームの内容は巨大な敵をロボットを操縦して倒すというもの。コンピューターゲームと思い軽い気持ちで参加した子どもたち。だが、その晩現実の世界で本当にロボットと敵が出現したのだった。
やがて戦いが始まった。だが、子ども達はこの時は知らなかった。ロボットに搭乗にしたパイロットは戦いの後に死亡し、敵から敗北すれば地球は滅びて死ぬことを。このゲームに参加した者はどう足掻いても死ぬ運命から逃れられないことに……。
今回紹介するのは俗にいうセカイ系というジャンルでしょうか(間違ってたらすみません)戦いに勝っても負けても自分は死ぬという残酷な現実の前にある者は悩み・ある者は現実を拒絶し、ある者は達観しながらもそれまでの人生や生死について考える重いテーマの作品です。
更に線の細いあっさりした画風とは裏腹に暴力・いじめ・性行為も直接的に描かれ、好き嫌いが別れる作品だと思います。

しかし、思春期の少年少女の繊細な心理描写やロボットのデザイン独自の世界観に惹かれるファンも多く、またアニメ版のオープニング『アンインストール』も本作の世界観を表した曲として高く評価されています。
読む前はこの作品はそりゃもう絶望に満ちた鬱漫画と思っていたんですが、読んでみると不思議と鬱な気持ちにならないんですよね。というのも子ども達の死の間際はどこか達観しているというか自分の死に納得して死ぬことが多いと思うんですよね(もちろん死の恐怖に耐えきれず自棄をおこして悲惨な最期を遂げる子どももいますが)だから、奇妙な後味の良さすら感じるんですよ。こういう鬱要素だけじゃないのが本作が人気の一つなんでしょうかね?