ベルセルク  作者:三浦健太郎  掲載誌:ヤングアニマル

ベルセルク

 

それは剣と言うには
あまりにも大きすぎた
大きく分厚く
重くそして
大雑把すぎた
それは正に
鉄塊だった
あらすじ
身の丈を超える大剣・大砲内臓の義手・連射式ボウガン……。多くの武器を身にまとう異様な格好をした隻腕隻眼の男の名はガッツ。首筋に付けられた『生贄の刻印』によってこの世の者ではない悪霊・妖魔に常に命を狙われている。なぜそうなったのかは彼のあまりにも残酷で無慈悲な人生を語らなければならない。
死亡した実母の身体から産まれ落ちたガッツはたまたまその時傍に立ち寄った傭兵団の夫婦に引き取られるが3年後に養母が疫病にかかり死亡。元々ガッツを薄気味悪く思っていた養父は妻が死んだ理由はガッツが災厄を運んできたと思い込み、彼を強く憎むようになる。それでも養父を慕っていたガッツだが養父は稚児趣味のある傭兵団の仲間にガッツを売り、更には片足を失った際に自分の身に降りかかる不幸はガッツの所為だと思いガッツを殺害しようとする。抵抗するうちに養父を殺害してしまったガッツは傭兵団に追われ、その後は1人流浪の傭兵として戦場を転々とする日々を送っていた。
そんなある日、戦場で『鷹の団』という傭兵団の首領・グリフィスに出会う。彼と一騎打ちになり敗北するガッツ。グリフィスは平民の身でありながら自分の国を持つという夢を抱き、鷹の団を結成した男だ。ガッツを気に入ったグリフィスはガッツを自分の団に引き入れ、ガッツは次第に鷹の団で居場所を見つけ、安らぎを覚えるようになる。そして、ガッツは鷹の団の紅一点の戦士キャスカと互いに惹かれあうようになる。
しかし、グリフィスの許で彼の夢に飲み込まれていく自分のあり方に迷ったガッツは、グリフィスと対等でありたいという意志のもと鷹の団を去る。その頃にはガッツを唯一無二の存在として強くガッツに固執するようになっていたグリフィスはそのショックから自暴自棄になった結果、拷問にかけられ生ける屍同然の再起不能の身になり鷹の団は逆賊として命を狙われるようになった。仲間を助ける為に鷹の団の許へ向かったガッツはこの時幾度も衝突してきたキャスカと心身共に結ばれることになる。
絶望するグリフィスの前に『蝕』が発現する。自らの復活と夢の実現の為に仲間を生贄に捧げる事で『ゴッド・ハンド フェムト』に転生する。
鷹の団の前に無数の『使徒』が出現し、鷹の団は次々と無残に殺され更にキャスカはガッツの目の前でグリフィスに凌辱されキャスカはショックと恐怖から発狂し、ガッツとの間に授かった胎児は妖魔として歪な存在として誕生する。
あまりにも多くのものを失ったガッツは復讐をする為にゴッド・ハンドを探す旅をする。
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綿密に書き込まれた画と残酷でハードな展開、そして壮大な世界観から日本だけでなく海外でも多くのファンを獲得している本作。1巻の1ページ目がいきなり男女のセックス(女の方は実は人間じゃないけど)という展開からも分かるようにかなり性描写が濃くて、特に黄金時代編のキャスカがレイプをされるシーンはガッツの絶望感を表現するかのように生々しく痛々しく描かれています。他にもグロ描写や残酷な展開が多く、一般受けする作品ではありませんが、そんな絶望の中足掻くガッツの姿はカッコいいですね。あと、ガッツの相棒的存在のエルフのパックが本作の清涼剤として場を明るくしてくれるのが良い。
あまりにも密度の高い作画なので作者である三浦先生の体調もあって休載しがちで、ファンも先生自身も完結するか不安視される作品ですが、個人的に黄金時代編の絶望感と再起までのストーリーの完成度は素晴らしく、正直の黄金時代編までだけでも読む価値がある作品です。いや、完結してほしいですけど。