これは恋のはなし  作者・チカ  掲載紙・ARIA

これは恋のはなし1巻

 

男は感じた「放っておけない」と。
少女は思った「そばにいたい」と。

 

ハートボイルドの小説を書いている小説家内海真一はスランプに陥っていた。気分転換に都会を離れて亡くなった祖母の家に越してはみたものの思うような新作は書けない。ある日、内海の家に一人の少女が入り込んだ。少女の名前は森本遥。捨て猫を助けたいが実家では飼えないので内海の家を空き家と間違えて忍びこんだのだった。猫を家に置いてほしいと頼む遥に対し、最初は遥を追い払おうとした内海だったが、彼女の瞳を見ているうちに猫を家に置く事を了承してしまった。
2人の奇妙な関係が始まった。そんな彼らの様子を見た内海の友人兼編集者の大垣薫は遥をヒロインにした恋愛小説を書く事を内海に提案する。
31歳と男と10歳の女の子の恋愛漫画と書くと犯罪臭半端ないですね(笑)今回紹介するのは『これは恋のはなし』幼い頃に両親を一家心中で亡くした孤独な小説家が自分と同じ孤独を心に抱える少女と出会うところから物語は始まります。
ヒロインの遥ちゃんがとにかく健気で可愛いんです。数年前に兄を亡くしその所為で母親は心を病んでしまい、父親は会社の社長で多忙でほとんど家にいないという環境で育ったからなのか、10歳にして家事をこなせるしっかり者だけど、表情の変化に乏しい寂しげな子です。そんな彼女が内海と出会ってぶっきらぼうだけど優しい彼に惹かれて真っすぐに自分の想いを内海にぶつけます。そんな彼女を初めは同情心で接していた内海の心に変化をもたらします。
内海は無精ひげを生やして生活能力がないので家の中は常に汚い。一見駄目男ですが、不器用ながらも優しい性格で娘と距離を取っている遥の父親に本気で怒ったり、グッとくるシーンもたくさんあります。
主人公もヒロインも不器用ながらも優しい性格で見ていて温かい気持ちになります。是非読んでみてください。