おひとりさま出産  作者:七尾ゆず  掲載誌:月刊OfficeYou

おひとりさま出産
あらすじ
40歳目前の漫画家ナナオ。彼女は漫画家としても成功せずアルバイトで生計を立てる日々。恋人のミウラは職は一応あるものの借金有りで保険料も支払えないダメ男。結婚の望みは無くそれでも子供が欲しいナナオは恋人を説得し結婚はせずに子供だけ設けてもらう事に。なんとか子供を妊娠したが母親からは世間体が悪いと激怒され住んでるアパートは単身者用なので引っ越さなければならない。
低収入・高齢出産・片親。前途多難にも程がある彼女の妊娠育児はどうなるのだろうか?
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今回紹介するのは『おひとりさま出産』です。女性漫画家の育児エッセイは多数ありますが、本作はなんと結婚しないで子供を産もうとする女性が描かれています。しかも、生計はアルバイトの収入が主な貧困層(差別的表現に思われたらすみません)そんな彼女なのでお金の話には敏感で母子家庭で貰える手当などについてきっちり語られ、そういうお金の話の面では参考になるかもしれません。この漫画のような例はまれなので参考になるかは分かりませんが。
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正直言うと私はこの『おひとりさま出産』が正真正銘の実話ならとんでもない話だと怒りの気持ちがわいてきます。
結婚しないで子供を産もうとするだけなら良いんですよ。例えばこの人が漫画家としてヒット作を出して貯蓄がしっかりあったりプロのアシスタントとしていつでも収入が得られる実力と人脈があるなら子供を1人で産んで育ててもなんとかなると思います。子供にはお金が必要ですから。
でもこの人は貯蓄無し・アルバイト生活だから安定した収入があるわけではない(高齢だからクビになることだってあるし新しいアルバイトも見つけにくい)おまけに高齢出産だから子供が障がい者として産まれる可能性が若い人の出産より高まる(最近は晩婚化で初産年齢も高まってますが、子どもが障がい者として産まれるリスク)それなのに子供を産みたいという想いだけでここまでやっちゃうのは「すごい!」というより「身勝手」という印象を受けてしまいます。
子供を産むっていうのは自分の人生だけじゃなくて子供の人生も背負うって事ですから、最低限子供の為の環境を整えて、それができない方は子供を産むべきではないと思います。厳しい言い方ですが、貧困家庭で育つ子供ってそれだけで人生ハンデ背負うんですよ。進学だってお金の所為で諦めないといけないかもしれない。そうなると就職だって不利になります。
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今日本では貧困が理由で結婚・子供など様々な事を諦めないといけない人が多く、先行き不安が半端ない状況ですが、本作はそういう意味ではそういった日本の闇を感じましたね。七尾ゆず先生のお子さんが健やかに育てるように陰ながら祈っています。
とりあえずお子さんが学校行くようになったら収入を増やす為にプロアシを目指す道とかどうですか先生?